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遺言を残さない場合に起こりやすいことと、公正証書遺言の作り方・費用

机の上のアルバムと老眼鏡(イメージ)

遺言は、ご自分の財産を誰にどのように残すかを、法律上の効力のある形で書き残すものです。この記事では、遺言が無い場合の相続の進み方と、遺言の種類、公正証書遺言の作り方の流れ、公証人手数料の目安をご紹介します。

目次

遺言を残さなかった場合に起こりやすいこと

遺産の分け方は、相続人全員の話し合いで決めます

遺言が無い場合、遺産の分け方は、相続人全員の話し合い(遺産分割協議)で決めます(民法第907条)。遺言で「誰に、どの財産を」と示しておけば、ご家族はその内容に沿って手続きを進められます。

相続人ではない人には、財産が渡りません

遺言が無いと、財産は法律で決まった相続人が受け継ぎます。お世話になった方など、相続人ではない人に財産を残したいときは、遺言で財産を贈る(遺贈する)方法があります(民法第964条)。

出典:e-Gov法令検索「民法」第907条・第964条(2026年10月4日確認)

遺言の3つの種類

民法が定める普通の方式の遺言は、自筆証書遺言・公正証書遺言・秘密証書遺言の3つです(民法第967条)。

種類作り方家庭裁判所の検認(第1004条)
自筆証書遺言作り方ご本人が全文・日付・氏名を手書きし、印を押す(財産目録はパソコンで作れる)(第968条)家庭裁判所の検認(第1004条)必要(法務局の保管制度を使えば不要)
公正証書遺言作り方証人2人の立会いのもと、公証人が作る(第969条)家庭裁判所の検認(第1004条)不要
秘密証書遺言作り方封をした遺言書を、公証人と証人2人の前に出す。内容は秘密にできる(第970条)家庭裁判所の検認(第1004条)必要

出典:e-Gov法令検索「民法」第967条〜第970条・第1004条/e-Gov法令検索「法務局における遺言書の保管等に関する法律」第11条(2026年10月4日確認)

当事務所では、公証人が法律の決まりに沿って作り、原本が公証役場などで保管され、検認も要らない「公正証書遺言」をおすすめしています。

公正証書遺言の作り方

STEP
遺言の内容を考える

どの財産を、誰に残すかを考えます。財産を一覧にしておくと、書き忘れを防げます。

STEP
必要な書類をそろえる
  • 遺言者の印鑑登録証明書(発行から3か月以内)、または運転免許証・マイナンバーカードなど官公署発行の顔写真付きの身分証明書
  • 遺言者と相続人の続柄が分かる戸籍謄本
  • 相続人以外の人に遺贈する場合は、その人の住民票など住所の分かるもの
  • 不動産がある場合は、登記事項証明書と固定資産評価証明書(または納税通知書の課税明細書)
  • 預貯金がある場合は、通帳またはそのコピー

(日本公証人連合会「遺言」Q&A による)

STEP
証人を2人頼む

公正証書遺言には、2人以上の証人の立会いが必要です。未成年者、推定相続人と受遺者、それらの配偶者と直系血族などは証人になれません(民法第974条)。

STEP
公証人と打合せをする

公証役場に連絡して、遺言の内容と書類を伝えます。公証人が作った文案を確かめ、直したいところがあれば修正してもらいます。

STEP
作成の当日

遺言者が証人2人の前で内容を公証人に伝え、公証人が読み聞かせるか閲覧させて内容を確かめます。間違いがなければ、遺言者・証人・公証人が署名(令和7年10月からは電子サイン)をして完成です。

出典:日本公証人連合会「遺言」Q&A/e-Gov法令検索「民法」第969条・第974条(2026年10月4日確認)

公証人手数料の目安(令和7年10月改定後)

公正証書遺言を作るときは、公証役場に手数料を納めます。手数料は、財産を受け取る人ごとに、受け取る財産の額で計算して合計します。

目的の価額(受け取る人ごとの財産の額)手数料
50万円以下3,000円
50万円を超え100万円以下5,000円
100万円を超え200万円以下7,000円
200万円を超え500万円以下13,000円
500万円を超え1,000万円以下20,000円
1,000万円を超え3,000万円以下26,000円
3,000万円を超え5,000万円以下33,000円
5,000万円を超え1億円以下49,000円
1億円を超え3億円以下4万9,000円に、超過額5,000万円までごとに1万5,000円を加算
3億円を超え10億円以下10万9,000円に、超過額5,000万円までごとに1万3,000円を加算
10億円を超える場合29万1,000円に、超過額5,000万円までごとに9,000円を加算
公証人手数料令第9条別表(日本公証人連合会の掲載による)
  • 財産を受け取る人ごとに、その人が受け取る財産の額で手数料を求め、それを合計します。
  • 遺言全体の財産が1億円以下のときは、「遺言加算」として1万3,000円を加えます。
  • 枚数による加算:紙で作る公正証書は、枚数が4枚(法務省令で定める横書きの公正証書は3枚)を超えるとき、超える1枚ごとに300円を加えます。電子データで作る公正証書は、記録されている内容をすべて書面に出力した枚数が3枚を超えるとき、超える1枚ごとに300円を加えます(公証人手数料令第25条第1項・第2項)。
  • 遺言者に渡す正本・謄本(またはそれに相当するもの)の交付手数料が別にかかります。電子データは1通2,500円、書面は1枚300円です。
  • 公証人が病院などに出張する場合は、手数料が1.5倍になることがあり、日当(1日2万円、4時間までは1万円)と交通費がかかります。

計算の例(日本公証人連合会の説明による):妻に6,000万円、長男に4,000万円を相続させる場合、妻の分が4万9,000円、長男の分が3万3,000円で合計8万2,000円。全体が1億円以下なので遺言加算1万3,000円を加え、9万5,000円になります(このほか、正本・謄本の交付手数料などがかかります)。

出典:日本公証人連合会「手数料」/日本公証人連合会「遺言」Q&A(2026年10月4日確認)

行政書士に依頼する場合

遺言の内容の整理と原案の作成、書類の取り寄せ、公証役場との打合せ、証人の手配は、当事務所にご依頼いただけます。ご自身で進めることもできます。

当事務所の料金は遺言作成の料金表、流れは公正証書遺言の作成サポートをご覧ください。

ご相談から、遺言ができるまでの流れ

STEP
お問い合わせ

お電話(042-508-3639)またはお問い合わせフォームからご連絡ください。
電話の受付時間 平日・土日 10:00〜18:00(時間外はフォームで24時間受付)

STEP
書類の作成

財産と相続人をうかがって遺言の原案を作り、必要な書類をそろえて、公証役場と打合せをします。

STEP
書類の送付

ご用意いただいた書類を当事務所へお送りください。送付先と送り方は、ご依頼をお受けするときにご案内します。

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